演じることによって知ることができる。

April 15, 2019

 心という実体性のないものについて如何にして表現は可能であるか?と役者は悩むのです。

どの様な外的表現も、動情、心の動きに合致しない限り真の演技ではないのです。心の動きを度外視して、どの様に外的表現を整えたにしても空疎なのです。

表現は生命のあらましめる原理でもあるのです。そこには常に温かさがなければいけないのです。人は温かさによって生命の存在を感知するからです。表現は充実させるものであり、単に切り捨てたり、取り払ったり、付け加えたり、真似たりするだけで表現ができるものではないのです。表現の180°反対にあるものが虚無であることも認識しなければならないのです。

 

役者は知識が必要なのです。しかし、知識だけではダメで能力も必要となるのです。能力とは技術です。

 

表現は、動情、心の動きに関しても、技術の問題であるのです。これを理解するだけではなく、能力として培わなければならないのです。そして、これを技術的法則でもあり美学の中にも入り込むものであるのです。よって表現は如何なるものでも美しくなければいけないのです。美しくないものは表現ではないのです。表現は心あってこそのものであるからです。だからこそ心という実体性のないものについて如何にして表現は可能であるか?と役者は悩むのです。

外的表現は強い力によって創ることはできるのですが、動情、心の動きはそうではありません。

 

「人は理念では動かない、人は人を観て心を動かされる」

 

そういうものなのです。

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