ジョシュアの策略。

May 25, 2018

ジョシュア・ブライアントの戦略と不安要素。

 

ジョシュアは焦っていた。四方から暴動者に攻められる事を、抑える術を持っていなかった為に。

北の暴動群は野蛮で暴力的だった。東の暴動群は信仰の力で多くの若年層の民を集め最大の規模に膨れ上がっていた。西の暴動群は戦術に長けていた。南の暴動群は最小規模であったが民の心に強く影響を与えていた。

 

ジョシュアが一番に嫌ったのが南の暴動群であり、一番に押し潰したかったのが北の暴動群だった。その為、西と北を同時に相手にする事は一番避けたいと考えていた。

ジョシュアは考えた。もし自分が北の暴動群ならどこを攻め入ってくるかを。城か、それとも、兵士の駐屯する各地域か?悩み続けたが全くつかめなかった。ある時、各地域に派遣していた部下達が報告に自分のところに集まるのを何気なく観ていた事で気づいた。「そうか、そうだ、そうすればいいんだ」。ジョシュアは、攻め入られる場所を予測するのではなく、攻め入る場所を提示してやればいいことに。

 

古城アトラスカトラスは、監獄として使用されているが、本来は外部からの侵攻にそなえて、王族達の篭城の城、最後の砦としての役割があった。難攻不落の老牢アトラスカトラスと呼ばれていた、この城は断崖絶壁に浮き上がる様に聳え立っていた。中に入るには一本の吊橋だけであった。

 

ジョシュアはこの城に各地域で捕らえた暴動者を集めた。その情報を北の暴動群と西の暴動群に洩らした。その事によって、しばらく暴動群は混乱を招いたが、それぞれの考えで動き始めた。ジョシュアの策にはまったのだった。北の暴動群は古城アトラスカトラスに進軍した。同時に西の暴動群も本拠地を後にした。北の暴動群に加勢する為にであった。ジョシュアはここで策をしかけた。

北の暴動群には、西の暴動群が順調に援軍としてアトラスカトラスに向かっていると。そして、西の暴動群にはアトラスカトラスの情報は、全て仕組まれていたことだと、古城アトラスカトラスは廃墟の城であったと、北の暴動群を装って偽の情報を提供した。

 

北の暴動群は西からの援軍を待ちわびていた。北の暴動群には時間が決められていたからだ。それは月詠みの魔女クライシスの力が最大に発揮される満月の夜を逃すことができなかったからだ。北の暴動群は、表れない西の援軍を待たずに、満月の夜に古城アトラスカトラスに攻撃を開始した。しかし、不運にも開戦直後から雨雲が集まりだした。厚い雲に覆われた満月は見えなくなっていった。月詠みの魔女の力が発揮されないまま城門に辿り着くことなく北の暴動群は鎮圧されてしまった。生き残った者はいなかった。殆どが谷底に放り投げられたのだ。時と同じとして、西の暴動群は、偽の情報を信じて古城アトラスカトラスへの道を行かずに、東の暴動群に向かっていた。ジョシュアの狙いはダイアン・ガードナーであった。大地の魔女ダイアン・ガードナーは泥人形を操るのが得意であった。

 

ジョシュアは西の暴動群を谷間の獣道に誘き寄せる事に成功した。その時に上流の川を決壊させた。水に流されていく者は放置し、岸辺に辿り着く者は矢で射抜いていった。射抜かれた死体も、流されて溺れた死体も全て調べさせた。ダイアン・ガードナーが死んだかどうかを。しかし、捜索の結果ダイアン・ガードナーの遺体は発見されなかった。それでも、ジョシュアは策を成し遂げた。しかし、大きな不安を残してしまった。

 

ジョシュアには2つの不安があった。アトラスカトラスからの報告では、月詠みの魔女クライシス・ダルクの遺体を確認したが、遺体が突然と消えたとあった。遺体が発見されていない化身の魔女ヨゼフィーネ・ダルクがクライシスの遺体を持ち去ったとジョシュアは推測した。ダイアン・ガードナーとヨゼフィーネ・ダルクは、ジョシュアにとって大きな不安として残ってしまった。そして、最大の不安は、姿を現さないピアノ弾きの魔女ララ・マルガレータであった。

 

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