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5月10日の稽古

役者には脅迫観念がある。

それは「ちゃんと演技しなければ」というものだ。この中には様々な観念が融合されている。

台詞を間違えないように言う、忘れないよう言う、動きを間違えないようにする、シーンを飛ばさないようにする、演出に怒られないようにする、演出された通りにする等々。その役者によって観念は様々である。この脅迫観念が自由演技の邪魔をするのだ。その引き金を引いているのが演出である。

演出の存在が昭和の時代から大きく変わってきているのと、役割が変わってきていることに気づいている演出家は少ない。残念なことであり、気づいてない演出家が役者の成長を妨害している。残念なことだ。

役者の脅迫観念を撃退させて役者の活動能力を増幅させなければお芝居はつまらないものになってしまう。

役者は打ち合わせが苦手であり、打ち合わせと言ってまったく違う話になってしまってることが多い。

それは何故か?「想像力の減退」してるからだ。便利な社会になってきたことによって「想像力」が必要ではないということになった。だから打ち合わせが苦手になる。

自分の演じる役がどのようにしてどうなり、どんな風にしてどうなっていくかが観えてないのだ。

文字から世界を広げていくことがどれだけ大切なのかを理解しなければいけない。

それができないのが現代の役者である。

それを補っていくのが現代の演出家なのだ。そんなこと昔からやって来たことだと言われるかもしれないが、昔から出来てないんだ。封建的な関係の構築であったからだ。昔を振り返っても今は意味がない。

役者をうまく補ってあげることで役者の演技は大きく変わるのだ。この変わりを「変容」という。これが「なりきり」であり「演技」なのだ。

けっして難しくはない。簡単なことだ。

それには脅迫観念の引き金を引かないようにしないといけない。

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