自分との組み合わせ
更新日:2021年6月30日
劇団に所属するにも、客演として出演するにも、ワークショップに参加等々、様々なことを自分から身を投じるのは善いが、そこには「自分との組み合わせ」の良し悪しがある。実はそれがもっとも大切なのだ。
それに気づいていない役者やスタッフが多いのだが、運営側も気づかないでいる。要するに行き当たりばったり感覚で、相手に責任を負わせてる、知らないのでなんとかなるなんて感覚になっている。
ここでひとつ考えてみてはどうだろう。
「自分と関わる組織の組み合わせ」を

ここで大切なのは「組み合わせ」ってどうやって良し悪しがわかるのか?
それは組織の中で演劇活動をしていると「演じれた」「できた」「気持ちがわかった」「うまく動けた」「台詞がうまく言えた」なんて気持ちになるときがある。正しくそれだ。

「活動能力の増幅」
これが役者個人の心の中に現れるかどうかである。これには役者個人の努力というより、運営側に大きな責任があるのだ。運営側の努力である。それは演出にも含まれるのだ。

「活動能力の減退」
これが生じてくると、組織としての運営が苦しくなってきたり、演劇の練習や稽古に支障が出てくる。
役者は生物(なまもの)である。鮮度が大切だ。それを善い状態に維持していくのが「活動能力の増幅」だ。
それをどう生じさせていくのかが組織としての大きな課題である。
もう、有名演出家、有名俳優、人気演出家等々名声でだけでは、人は集まるかもしれないが役者を育てることや、善い作品を創りだすことは出来ないのだ。その意識と理解が現代は求められている。

なぜそうなのか?
時代とともに人が変わってきたのだ。
それを理解しなければいけないのだ。昭和の演劇のやり方を受け継ぐのはよいが現代の人に合わせた改善が必要なのだ。でなければ「活動能力の増幅」は望めないのだ。

演劇は人あってこそ創れるものだ。演劇は「人材育成」である。それを意識しなければいけないのだ。
日本が向かう「超スマート社会」を迎えると同じくして、演劇界も「新しい演劇」を創造しなければいけないのだ。それには「善い組み合わせ」を創りだす「活動能力の増幅」がキーポイントである。