役者よ演じろ!
更新日:2020年12月2日
演じることは決して難しいことではないのです。でも、演じる者の意識の持ちようで難しいと感じることがあります。でも近年、安易に演じることが蔓延してきてしまっているのも現実です。
ワークショップ「AtomiN」では演じることをテーマに、役者の演技力を向上していくことを行っています。

演じる事に一番大切なことと、生きていく上で一番大切なことは、実は同じなのです。
自分に「恕」をかけろ!
これです。これは劇団無垢では、演技の根本的なものとして捉え伝えてきたことです。なので、演技の上手い下手ではなく、持っている「恕」の増幅度が大切なのです。
それは面接の時から、稽古から本番で観られていることです。その増幅によってお芝居の組み立て、役者への演出、伝える技術、等等です。
この「恕」の増幅は、役者本人は分からないもので、演出側から良く分かるものです。この「恕」はその時のチームの向上にとても必要なものであり、全員が同じレベルになければならないものです。
ではこの「恕」の増幅はどの様にすれば良いのか?それは「組み合わせ」です。役者と劇団はどこでも良いというわけではありません。

役者と劇団の組み合わせ
なんだ簡単なことなんだ。そうです簡単なことなのです。
劇団無垢は団員がいません。公演毎に募集を行い応募してきてくださった役者さんたちで構成されていきます。その前に重大な要素は、役者さんの選択です。それが一番の重要なことなのです。
劇団無垢だけに言えた事ではありません。全ての劇団に言えることです。
役者がどの劇団を選ぶのか?
役者が厳選した劇団であっても、安易に選んだ劇団であっても、馴れ合いの付き合いの劇団であっても、役者とその劇団の組み合わせが良くなければ、「恕」は増幅しないのです。
この「恕」が増幅すると、役者の中で「エンゲイジメント」となるのです。そうです劇団員になって活躍してくれる役者は、「恕」を増幅させ続けて、エンゲイジメントを維持継続させているのです。

「恕」を増幅させつづけ
「エンゲージメント」を維持継続させている
役者が本来持っている能力は、演技力や表現力ではないということを、なんとなく理解してもらえたかもしれません。これはどんな組織にでもいえることです。
役者が劇団を選ぶときは安易に選ばず、公演を観たり、ホームページやツイッターやフェイスブック、インスタなどのSNSを観たり、口コミなどを大いに参考して、自身との組み合わせが良いと思われる劇団を見つけ欲しいと思うのです。
劇団無垢の様に団員を持たない(持てない?)劇団なんかは判断が難しいとは思いますが、気軽に問合せをしていただければ良いかとは思います。(激笑)

役者は演じるものです。演じる時には2つの選択があります。
①困難な演技 ②簡単な演技 の2つです。劇団無垢としては、是非是非、難しい演技を選択してほしいと願うのです。

難しい演技を選択し、演じきるとも演じきれないとも、どちらにしても役者は成長するからです。
簡単な演技を選択すると、演じきるも演じきれないとも、どちらにしても演じれてないのです。
演じる難しさは、その役者によって変わります。なので、恐がらずチャレンジすることが、演じることを、より楽しめることになるのです。
演じることが楽しめることが大切であり、難しさの中には楽しめるが、盛り沢山に秘められているのです。

僕の経験で、16歳の時に演じた時に、なんて難しいのだろうかと感じ、最後まで理解ができないままでした。しかし、41歳に同じ役を演じた時に、なんて難しいのだろうと感じたけれど、面白いように理解できるのです。
この感覚は味わった役者にしにか分からない感覚です。この感覚を味わって欲しいと思うのです。

ワークショップ「AtomiN」では、この感覚を味わえる役者の育成を行っています。どの劇団も教えない、育成技法「自分力」に沿ったカリキュラムを組んで分かり易く難しい内容となっています。
「演じる」を味わうことの楽しさを共に創りあげていくことを行っていきましょう。