役者の不得意なこと

本読みの稽古をしていると、必ず役者お不得意なところが現れてくる。個々の不得意、苦手なところもあるのだが、役者が共通して不得意なところが現れてくるのだ。それは役者自身が気づいてないことが殆どだ。それに気づかせることも大切なのだが、演出がその事について話しても、役者の能力の向上にはならないのだ。気づかせていくために演出が毎回の稽古に役者へ仕掛けていかなければならないのと、役者本人が気づいてくれるのを信じて待つしかないのだ。


荒行の様に、役者に気づかせる為に演出が、その役者に何も言わなかったり、一言「ちがうんだよね」しか言わなかったりする場合もあるが時代遅れである。時代は移り変わっていくものであり、それと同じくして人も変わっていくのです。それに合わせて演出も変わっていかなければならないのです。しかし、現在の若い演出は、独自な技法と自身の能力だけで、演出を行ってしまうために役者の能力を向上させることができずに、演出の趣味趣向を役者に押し付けてしまっているのだ。前にも書いたことがあるのだが、役者を演出をするということは人材を育成するということである。演出はそれを意識しなければいけないのだ。なので、自分に才能があるからといって演出ができるとは限らないのだということを強く言っておく。