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役者の不得意なこと

本読みの稽古をしていると、必ず役者お不得意なところが現れてくる。個々の不得意、苦手なところもあるのだが、役者が共通して不得意なところが現れてくるのだ。それは役者自身が気づいてないことが殆どだ。それに気づかせることも大切なのだが、演出がその事について話しても、役者の能力の向上にはならないのだ。気づかせていくために演出が毎回の稽古に役者へ仕掛けていかなければならないのと、役者本人が気づいてくれるのを信じて待つしかないのだ。


荒行の様に、役者に気づかせる為に演出が、その役者に何も言わなかったり、一言「ちがうんだよね」しか言わなかったりする場合もあるが時代遅れである。時代は移り変わっていくものであり、それと同じくして人も変わっていくのです。それに合わせて演出も変わっていかなければならないのです。しかし、現在の若い演出は、独自な技法と自身の能力だけで、演出を行ってしまうために役者の能力を向上させることができずに、演出の趣味趣向を役者に押し付けてしまっているのだ。前にも書いたことがあるのだが、役者を演出をするということは人材を育成するということである。演出はそれを意識しなければいけないのだ。なので、自分に才能があるからといって演出ができるとは限らないのだということを強く言っておく。

役者の不得意とは何なのか?

ネガティブな心の強さが押さえ込んえしまう、発想力と気づき力だ。要するに「気づき」がなく、「発想」をしなくなってしまうのだ。これを理解してもうらうのに「九気の病」というのをご紹介する。

「九気の病」 古医書拳痛論篇第三十九

1・怒りを感じると気は上がり

2・喜びを感じると気は緩む

3・悲しみを感じると気は消え

4・恐れを感じると気は下がる

5・寒いと気は収縮し

6・暑いと気は漏れる

7・驚くと気は乱れ

8・疲れると気は消耗し

9・頭を使うと気は固まる

演出をする時に意識していた方がよいのが「九気の病」だ。それと、役者の状態どうなのか?演出の発した言葉に対してどんな感情が生じているのか?役者の態度はどうなのか?という「役者の3つの状況」も意識しなければ、演出は役者の不得意を得意にもっていくことができないのだ。

「役者お3つの状況」とは?役者の「心の状況」「身体の状況」「環境の状況」だ。

これを基本意識にあると、演出はスムーズ進められるのだ。

台本を読むときの役者の「心の状況」「身体状況」「環境の状況」が合致していないと、読み込むことができない。なので、役者は文字と文章に頼ってしまって、稽古は音読大会となってしまうのだ。

役者の「気づき力」と「発想力」を向上させるのは、役者自身の責任なのだ、どうすれば向上させることができるのか?それには「3つの状況」が必ず関わっているの。それを意識して、自身の「心の状況」がどうなのか?自身の「身体の状況」がどうなのか?自身の本を読む「環境の状況」がどうなのか?を観て本を読める最善を尽くさなければならないのだ。そうすることによって「気づき」「発想」を向上させ身体表現が行っていけるのです。

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