役者が観察しなければならない相手の3つの状況。
演技をする時に必要な能力があります。それは、ホスピタリティです。
このホスピタリティがない人には演技はできないのです。演劇(芝居)は自己表現の集合体であり組織表現だからです。一人芝居であっても、多人数芝居であっても、ホスピタリティは必ず必要であり、それが深い程に善い演劇(芝居)を創り上げていくのです。

しかし、ホスピタリティが深くなるだけではダメなのです。そのホスピタリティをホスピタリティ・マインドに変化させなければいけないのです。この変化させる能力の有無で、演劇(芝居)の面白さが変わってくるのです。

ホスピタリティからホスピタリティ・マインドに変化させるとは?
ホスピタリティとは「思いやる心」です。「思いやる心」で相手の事を考えるのがホスピタリティ・マインドなのです。この変化はホスピタリティの深度が影響してきます。
ホスピタリティの深度が深い程、観察能力が向上してい客観視がより明確なものになっていきます。
役者は自身が演技をする為に、宛がわれた役を創ることに集中するものです。自然と全体を観ることが出来なくなってしまいます。そうなれば役者の独自な演技になってしまうのです。

役者は台本の内容を理解して宛がわれた役を創っていき感情を観える形として表現をしていきます。役者は宛がわれた役の感情を理解いしています。しかし、その他の相手役の感情を深く理解していないのです。宛がわれた役を演じて、その感情を表現しなければならないからです。そこに陥ると役者の趣味趣向の演技になってしまうのです。この状態がホスピタリティの深度が浅い状態と言えるのです。そうなればホスピタリティ・マインドへの変化を成し遂げることができずに観察能力も減退してしまうのです。そうなれば、組織表現は成り立たなくなってしまうのです。

組織表現はホスピタリティの深度によって強固になっていくのです。この時のホスピタリィによって組織表現が実現している時は、それは組織に貢献しているということなのです。この時の状態を役者のエンゲージメント増大しているといえるのです。
しかし、この状態は役者たち(個々人)だけだけで実現させることはできないのです。この時に必要となる要が演出家なのです。
演出家は横暴になりがちなのです。演出家はリーダーでもなければ王様でもないのです。役者を見えない糸で操る人形操作師でもないのです。演出家は役者の心に寄り添う存在でなければいけないのです。そうでなければお客様に役者を舞台上で最良に魅せることができないのです。

役者はホスピタリティをもって、他の役者の心に寄り添って、相手の役者にどの様に演技してもらうかを考えることがホスピタリティ・マインドとなるのです。このことで自身に与える影響からの行動と相手に与える影響からの行動が演劇(芝居)のシーンを創り盛り上げ、観客の心を動かしていくのです。相手の役者にどの様に演技をしてもらうかには、「3つの状況」を理解しておくことが必要です。
相手役の「心の状況」・「身体の状況」・「環境の状況」を理解しておくと、相手役に対して、どんな演技で接することができるかが計画を立てる事ができるのです。
自分の役の感情は理解できているけれど、相手役の感情は理解できていない事が多くある。なので自分の演技台詞が身勝手なモノになってしまうのです。そうならない為には、役者一人ひとりが培い増大しさせてきたホスピタリティが大切なのです。